球場を取り巻いている阪神ファンの方々は既に出来上がっている感じ。

いつ試合が始まっても準備万端ってところだろうか。

ヤフオク!ドームを除く他のフランチャイズ10球場すべてで観戦したことがあるが、甲子園に集うファンの質は、どの球場とも異なる。

裾まで届こうかというダランとした法被を着、頭に被るキャップには球団旗の小旗を立て、馬鹿でかいメガホンを手にしてのし歩くファンの姿は、野球観戦というより宗教施設に集う信者という趣だ。

阪神ファンにとって甲子園球場とは単なる野球場ではなく、巨大な祝祭場なのだろう。

西宮21

ちょうど半周し、スコアボードの裏側付近まで来た。

ここに「野球塔」というオベリスクのようなものが立っている。

これはタイガースとは関係なく、高校野球を記念して立てられたものだ。

初代は昭和9(1934)年に行われた第20回全国中等学校優勝野球大会を記念し、朝日新聞が建立。

しかし太平洋戦争の空襲により跡形もなくなってしまった。

二代目は昭和33(1958)年に行われた第30回選抜高等学校野球大会を記念し、毎日新聞が建立。

しかし老朽化により、甲子園球場のリニューアル工事とともに平成18(2006)年に撤去。

そして現在の三代目は平成20(2008)年、春と夏の高校野球大会がそれぞれ80回と90回という節目を迎えたことを記念したもの。

高野連と朝日新聞、毎日新聞の三者により、リニューアル工事の完了に合わせて平成22(2010)年3月に落成した。

真下まで行って野球塔を見上げてみる。

やはり塔というよりもオベリスク、どこか宗教的建造物っぽさが伺える。

西宮22甲子園K04

野球塔のすぐ近く、レフトスタンドの下に「甲子園歴史館」がある。

ここには甲子園球場、高校野球、タイガースの歴史が一堂に展示されているという。

だが、下手に入ってしまうとと試合開始に間に合わなくなる可能性があるので、ここはスルー。

歴史館の隣にあるタイガースショップも人で溢れている。

ちなみにタイガースショップは東京にもある。

それも地下鉄銀座線外苑前駅と神宮球場を結ぶ神宮スタジアム通りのド真ん中。

東京ヤクルトスワローズの“本丸”の目と鼻の先に、まさに出丸を築いたようなものか。

ただ、神宮球場も阪神戦だとタイガースの本拠地みたいな様相を呈するので、あまり違和感ないのだが。

しかも最近になってヤクルトも後を追うかのように、タイガースショップの近くにオフィシャルショップを出店。

おしゃれタウン青山で勃発した虎と燕の代理戦争。

ヤクルトも甲子園の近くにオフィシャルショップを出店して決着を付ければいいのだろうけど、需要が見込めないのは何となく分かる。

西宮23甲子園K05

[旅行日:2014年6月22日]