神阪編R011

早朝6時半、東京スカイツリー。

この下にある京成押上駅から成田空港線アクセス特急で成田空港へ向かう。

通勤時間帯の前、しかも都心から郊外への電車とあって車内は閑散としている。

福岡から広島、関西の御城と球場を巡ってから早10日が過ぎた。

しかし、どうしても晴らしたい心残りがひとつだけある。

それを成就すべく再び大阪へ向かうことにした。

ただし時間的な猶予は24時間。明朝までには東京へ戻って来なければならない。

早朝7時半、成田空港駅に到着した。

改札を出て第1ターミナルへ向かうと、昔ながらの身元チェックみたいな愚行を相変わらずやっている。

空港建設に反対する過激派のテロ対策なのだろうが、羽田が本格的に国際化している現在では成田の存在意義は希薄になってしまった。

そのため成田は格安航空会社(LCC)の就航に活路を見出そうとしているのに、その一方で多額の予算を組んで身元チェックを続け、その経費を空港使用料として利用者に負担させている。

こんな馬鹿げた矛盾が相変わらず続いているのは、一度構築したシステムを決して手放そうとしない醜悪な官僚主義の為せる業としか思えない。

まぁ、この身元チェックも平成27(2015)年の春で取り止めになるそうだが。

周囲を取り巻く社会的な環境の変化に迅速な対応ができない組織のお粗末さに、日本の空港がアジア諸国から遅れを取った理由が透けて見えるようだ。

出発時刻まで間があるので展望デッキで飛行機でも眺めようかと、南ウイングでチェックインを済ませた後エスカレーターを伝って階上へ向かう。

羽田空港に代わる日本の空の玄関口として華々しく開港した成田も、開港から30年以上が経過した今となってはレトロな雰囲気すら漂うほど古ぼけてしまった。

それはNAA(成田国際空港株式会社)も認識しているのか、ところどころで改装工事が行われている。

4階のフードコードへ行くと早朝にもかかわらず結構な数の利用者で席が埋まっていた。

みな国際線でも機内食の出ないLCCの利用者なのだろうか?

成田が「日本の玄関口」から「格安航空旅行の窓口」へ、体質の改善に迫られた証かも知れない。

5階へ上がり展望デッキに出る。

駐機場に横たわる旅客機は数多いが、時間帯的に早いせいか離着陸する機影は見当たらない。

それでも幸い好天に恵まれたせいか“スポッター”と呼ばれる飛行機マニアの姿もチラホラ散見される。

神阪編R012

[旅行日:2014年7月2日]