獅子神楽は悪魔払獅子、厄除御獅子として奉奏されるのだ。
しかも現在、伊賀地方の各町で行われている獅子神楽の原型でもある。
さらには「伊勢大神楽」にも多大な影響を及ぼしたとも言われている。
伊勢大神楽とは獅子舞をしながら伊勢神宮の神札を配布して回った人々のこと。
ちなみに獅子神楽は三重県の無形民俗文化財に指定されている。
帰路は拝殿横から伸びる裏参道を伝って戻る。
拝殿の左隣には神様の台所たる神饌所、その左隣に神輿蔵。
その先には摂社末社がズラリと並んでいる。
若宮八幡宮、子授けの神、楠社、神明社、むすび社、大石社…ひとつひとつ眺めながら歩く。
小さな祠が多いが、むすび社や大石社のように専用の鳥居を構えているものもある。
表参道に摂社が市杵島姫社しかなかったことを思えば、実はこちらのほうが“表”の参道ではないかと錯覚してしまいそうだ。
裏参道も尽き、来訪時に見た真新しい社号標の前に出た。
敢国神社への再訪、どこか唐突に終わった感じだ。
佐那具駅へ、来た道を再び戻る。
空は曇っているが、雨粒が落ちてくるほどでもない。
伊賀一之宮インターチェンジ近くでは薄曇りの空を背景に、梅の木が花を咲かせている。
東海道諸国の一之宮巡礼、梅の花に見送られながら、ここ伊賀国にて幕を閉じた。
[旅行日:2014年3月20日]