ブルーウェーブとバファローズの両チームから優秀な選手を最初に確保できるという、あからさまにオリックスに有利な制度。
だが、チームが発足した平成17(2005)年以降、オリックス・バファローズが優勝したことは1度もない。
一方、新参者ゆえ“残り物”を押し付けられた格好の東北楽天は初年度、プロ野球史上に残る歴史的惨状で最下位に沈没。
その後も暫くは低空飛行を続けるもチーム発足9年目の平成25(2013)年、初めてパ・リーグを制覇。
初出場した日本シリーズでも巨人を4勝3敗で退け、分配ドラフトで優先的に選手を確保したオリックスに先んじ、初めて日本一の座に就く。
2つのチームから優良選手を集めて一つのチームにしたところで必ずしも強くなるわけではなく。
机上の計算が現場での成績に直結するわけでもないことを、オリックスは証明した格好になったわけだ。
そのオリックスは今季好調で、合併以降初の優勝も狙える位置にいる。
西宮球場で見た阪急ブレーブスと、日生&藤井寺球場で見た近鉄バファローズ、それぞれの幻影。
しかし、両チームが統合されたオリックス・バファローズに、阪急も近鉄も残影はどこにもない。
今季オリックスが日本一になることができれば、ここ京セラドーム大阪に新たな“幻影”が浮かび上がることができるのだろうか?
試合は結局、東北楽天の投手陣がオリックスをそのまま零点に抑え、2対0で勝利。
しかも甲子園のヒーローにしてルーキー松井裕樹のプロ入り初勝利というオマケ付きだった。