ゲームが終わり、京セラドーム大阪を出て阪神ドーム前駅へ。
しかし時間が多少あったので電車には乗らず、夜の大阪をブラブラ散策することにした。
市立西中学校の前から千代崎方面へ向かい、スーパー玉出の前を通り、茨住吉神社の裏手へ。
すると、いつしか松島新地という「御伽の国」に迷い込んでいた。
ここは戦前「松島遊廓」として隆盛を極めた色街。
戦後も赤線「松島新地」として営業していたが、昭和33(1958)年の売春防止法施行により廃止された。
…はずなのだが、なぜか現在でも軒先に紅灯を掲げている店がチラホラ。
街には古風な遊郭造りの建物が散見され、昔の建物が好きな向きには興味深い一角ではあるのだが。
それに「御伽の国」にしては灯りも少な目で概ね薄暗く、寂し気ではある。
こうした昔ながらの“伝統性産業”は時代遅れで、廃れる傾向にあるのだろうか。
そんな「御伽の国」に深入りすることもなく、スッと通り過ぎた。
地下鉄で梅田に出、深夜の喧騒を横目に毎日放送とホテル阪急の隙間をスリ抜けてバスターミナルへ。
23時40分発、満員の乗客を乗せた夜行高速バスは梅田茶屋町のターミナルを出発した。
京セラドーム大阪を訪れることができ、ひとまず心残りは晴れたものの。
心のどこかに積み残した荷物が引っかかっているような気がして仕方がない。
オリックス・ブルーウェーブの本拠地だったグリーンスタジアム神戸(現ほっともっとフィールド神戸)にも行ってないし、中日ドラゴンズの本拠地ナゴヤドームとナゴヤ球場も気になる。
東京スカイツリーを発ってから約24時間後の翌朝6時50分、バスは新宿の東京都庁前に到着した。
しかし、これで旅が終わったわけではない。
まだまだ日本中に“プロ野球遺産”は残っているのだ。
次はどこへ行こうか? そんなことを思いながら、通勤ラッシュが始まりかけた新宿の雑踏へ足を向けた。