平日の朝、さいたま新都心駅の巨大な改札口を出て、オフィス街と結ぶペデストリアンデッキを歩く。
通勤時間帯とあってか、さいたま新都心の広大な人口地盤には大勢の通勤客が行き交い、周辺の高層ビルに続々と吸い込まれていく。
さすが『副都心』だけあると感心しつつ、そんな人の流れに抗うかのように、さいたまスーパーアリーナ方面へ向かう。
霧ともつかない中途半端な雨が、ずっと朝から降りしきっている。
まだ屋根のある部分は良かったが、屋根のない外周道路へ出た途端に四方八方から細かい水の粒が肌にまとわりつき、あまりいい気分ではない。
さいたまスーパーアリーナの外周を巡る歩道を通って北側へ出、跨線橋を渡ってJR線の向こう側に抜ける。
この跨線橋、名を「大宮ほこすぎ橋」という。
その秀逸なデザイン性ゆえ、よくテレビのロケに登場する“名勝”でもある。
最大の特徴は全国でも例がないJR営業線上での中木植栽。
確かに木を植えてある鉄道の跨線橋なんて、あまり見たことない。
ではなぜ、わざわざ手間のかかる植栽を施したのか?
さいたま新都心から氷川参道に至るまで“みどりの連続性”を感じさせるコンセプトに基いて設計されたから。
しかも人道橋なので車の往来を気にすることなく、線路の真上から鉄道を鑑賞できる貴重な空間でもあるのだ。
「ほこすぎ」の由来は、また後ほど改めて。
[旅行日:2013年5月20日]