南宮015

南宮大社の主祭神は金山彦命[カナヤマヒコノミコト]。

伊邪那美命[イザナミノミコト]が火の神である迦具土神[カグツチノカミ]を産んだ際、女陰に大火傷を負って苦悶する最中の嘔吐物から生まれた神とされている。

金山彦命は鉱山をはじめ金属一切を司る神。

しかし、なぜ嘔吐物から?

それは炎で融解した鉱物の姿が嘔吐物に似ているからとの説がある。

楼門の前には川が流れ、3本の橋が架かっている。

楼門の正面に架かるのが石輪橋。

造営時期は寛永19(1612)年で花崗岩製。

輪のようなアーチを描いていることから「そり橋」とも呼ばれている。

どこの神社でもそうだが、こうした高い円弧の神橋は神様専用で人間が渡れない場合が多い。

南宮017b

石輪橋の下手に架かる、同じ花崗岩製の橋が石平橋。

ほぼ平らで、人間はこちらを渡ることになっている。

5月5日の例大祭で神輿が下向する際この橋を渡ることから「下向橋」とも呼ばれているそうだ。

石輪橋と石平橋の真ん中に、もう1本の橋が架かっている。

天板こそ木製だが両端のスローブはコンクリート製、朱塗りの欄干は金属製としっかりした造り。

石平橋が老朽化してきたので急遽、拵えたのかも知れない。

石平場が解体修理されたら取り壊される運命なのだろうか?

ただ現在のところ石平橋は通行可能で、どちらでも渡れる。

橋を渡ると正面の築地塀の前に石灯籠が立ち並んでいる。

他に目立った構造物のない境内で、塀の前に整然と並ぶ石灯籠は目を引く存在だ。

南宮018

[旅行日:2016年12月10日]