南宮007


祭礼の行列が大鳥居まで来ると、神輿は舞台の「神輿上がり」に安置される。

そして道を挟んだ向かい側に立つ「だんじり」で、男児による還幸舞が始まる。

こちらも国の重要無形文化財に指定されている。

「蛇山神事」は五穀豊穣を願う農耕信仰の神事で、こちらも国指定の重要無形文化財。

「神幸式」と平行して行われる 5日の午前1時、南宮山の奥にある蛇池より降神した蛇頭を宮代の市場野の祭礼場に運び、蛇山という高さ役十三㍍の櫓の上に取り付ける。

明け方から神輿が還幸するまで「ドンドコドンドコ」の囃子に合わせて蛇頭を上下左右に勢いよく揺り動かし、口を開閉して舞い続ける。

五人囃子の音色が一段とせわしくなると、蛇山の上の蛇頭と、だんじりの竜子舞が激しく乱舞して祭りはフィナーレを迎える。

例大祭の前日である4日には農作物の豊穣を願う「御田植祭」、別名「お田植え神事」が行われる。

3~5歳の少女たちが境内に仮設された斎田に、苗に見立てた松の葉を植え付け豊作を祈願するお祭り。

実際の田植えではなく松葉で模擬的に動作を行うスタイルは「庭田植え」というそう。

祭礼の形式は室町時代に完成したといい、現在では国の重要無形文化財に指定されている。

関ヶ原合戦で中止されたものの、江戸時代の寛永年間(1624〜1645)に社殿が再建された際に復活したという。

「お田植え神事」のメインキャストが幼い「稚児」や「早乙女」なのは、純粋な女児にこそ神様のエネルギーが乗り移れるため。

「神は稚児に宿る」という、日本に古くから伝わる神話の真髄が反映されたお祭りと言えるだろう。

南宮009

[旅行日:2016年12月10日]