建部013

旧東海道を南進し鳥居川交差点へ出る。

ここを左折すれば正面に瀬田(の)唐橋。

宇治川の宇治橋、淀川の山崎橋(現存せず)と並ぶ「日本三古橋」のひとつ。

その歴史は古く日本書紀にも「瀬田橋」「大橋」「長橋」の名称で登場している。

橋の手前に踏切がある。

先ほど石山駅で下車した京阪石山坂本線。

その左側に小さな駅、唐橋前駅が見える。

次が終点の石山寺駅。

天平19(747)年創設の古刹、石山寺の最寄り駅だ。

東大寺の大仏造立で黄金の不足に悩んでいた聖武天皇が、夢のお告げを受けて建立。

奈良時代から観音信仰の聖地として朝廷や公家から篤く崇拝されてきた。

また、ここで紫式部が「源氏物語」の着想を得たことでも知られている。

源頼朝や足利尊氏、淀君らも後ろ盾になっており、おかげで戦国時代も災禍の被害が比較的少なかったとか。

戦乱で幾度も落橋した瀬田大橋とは対照的だ。

このため国宝の多宝塔をはじめ数多くの文化財が残されているという。

ただ今回は時間が割けず、拝観は残念ながら断念した。

建部014

踏切を超えて古風な木造建築の前を通り過ぎ、瀬田唐橋の西詰に出る。

様々な名称で呼ばれていた橋が「唐橋」と呼ばれるようになったのは鎌倉時代.

中国風の橋に架け替えられたことがきっかけだったという。

さらに「瀬田」という地名も昔は「勢多」「勢田」「世多」など様々に表記されていた。

それらが行政上の地名として「瀬田」に統一されたのは明治22(1889)年と意外に最近。

とはいえ眼前に架かる橋は擬宝珠こそ古風だが、何の変哲もないコンクリート製の橋。

現在の橋梁は昭和54(1979)年に架け替えられたもの。

擬宝珠は旧橋のものを再利用し、緩やかな反り具合は往時の姿を反映しているそうだ。

建部015

[旅行日:2016年12月10日]