踏切を渡って大津警察署の角を曲がると湖岸道路に出た。
左側に見えるNHK大津放送局の方角へ歩くこと数分。
小さな無人駅、京阪石場駅に着いた。
ホームに上がって電車の到着を待つ。
緩やかなカーブを描いた線路の彼方から2両編成の小さな電車が現れた。
土曜日とあってか車内は空いている。
部活動へ向かう中高生の姿が目立つ程度だ。
10分ほどで京阪石山駅に到着。
階段を登りつつホームを振り返る。
「石山坂本線へようこそ!」
二次元の美少女「鉄道むすめ」石山ともかが挨拶してくれた。
「鉄道むすめ」とは全国各地に実在する鉄道会社の職場で実際に活躍している様々な職種をキャラクター化したコンテンツ。
彼女の職業は運転士で、名前は石山坂本線の両端、石山寺と坂本の両駅名に由来するそう。
石山駅は京阪とJRの接続駅。
ペデストリアンデッキが両駅を結んでいる。
改札を出、まずは駅前商店街へ向かった。
朝から何も食べておらず、とりあえず何か食べたい。
幸いなことに角を曲った途端「めしや宮本むなし」と出くわしたので嬉々として入店。
ここは中部と関西を中心に展開する定食屋チェーンで、逆に首都圏には一軒もない。
関西の人間にはお馴染みでも、関東の人間にとっては非常に珍しい存在。
朝食の和定食を有難く頂いた。
石山駅前から南へ伸びる旧東海道を歩く。
沿道に旧街道の面影は全く残っていない。
だが、五街道筆頭という格式の高さだけは感じられる気がした。
途中「TORAY」の看板を掲げた石柱を発見。
大正15(1926)年創業の化学繊維メーカー「東洋レーヨン」の歴史は、ここに建造した滋賀工場からスタートした。
その後は社名を「東レ」に変更、現在では化繊の範疇を超えた総合化学メーカーに。
歴史がスタートした滋賀工場は後に滋賀事業所と名を変え、現在でも国内の生産拠点として稼働している。
[旅行日:2016年12月10日]