神事橋を渡り鳥居をくぐると、目の前に奈良神社が鎮座している。
奈良といっても平城京とは関係無く、神饌饗膳に関する一切を司る神「奈良刀自神」を祀る摂社。
その昔、神饌の盛り付けに楢[なら]の葉を用いたことが、神号「奈良」の由来という。
こうした由緒から奈良刀自神は料理飲食業者から、料理飲食の守護神として篤く信仰されている。
また、葵祭では本殿祭に先駆けて神職が出向し、特別に神饌を奉献する慣例もあるそうだ。
社殿の隣に杭と縄で四角く囲まれた一角がある。
「権地[ごんち]」といって、社殿を修復する際に神様を移す仮宮を建てるための場所。
ちなみに「権」とは2番目、英語で言えばセカンドという意味だ。