石橋を渡ると少し広めの空間が広がり、向こう側に二の鳥居が聳立している。
その広場の右手に大きめの手水舍があった。
中に据えられているのは木製の舟に載せられた横長の巨石。
内側がくり抜かれていて石鉢のようになっている。
この形状は賀茂建角身命の神話に登場する舟形磐座[いわくら]石に因んだもの。
上には屋根が架けられ、御手洗の反対側は透塀で仕切られている。
崇神天皇7年(紀元前90年ごろ)、糺の森に瑞垣の造替を賜った記録をもとに再現したという。
室町時代に編纂された「諸社根元記」には「浮島[うきしま]の里、直澄[ただす]」と記録されていて、これもまた「糺」の語源のひとつと考えられているそうだ。
二の鳥居の両脇に石が小山のように積み上げられている。
石の大きさは握り拳大から赤ちゃんの頭部大まで様々だ。
これらは式年遷宮に伴う「石拾神事」のために集められたもの。
本殿の周囲に敷かれる磐座の御石を3年間ここで清め、さらなる生命力アップを願い乞う行事。
最初に執行される行事で、本殿の周囲に氏子や崇敬者が清浄な御石を奉献するそうだ。
式年遷宮が終了すればこの石山も消滅するわけで、なかなか貴重なものを見ることができた。
[旅行日:2014年3月20日]