翌朝、生憎の雨模様。
宿を出て、下立売通を東へ向かう。
堀川通を過ぎると道が広くなり、やがて左手前方に京都府庁が姿を現した。
門が開いていたので立ち寄ってみる。
前庭には裸婦像など彫刻が立ち並び、細やかな春雨を浴びて艶かしく濡れている。
その奥にルネサンス時代の建物を思わせる巨大な洋館が佇んでいる。
京都府庁旧本館。
一段高い正面中央の屋根から左右へ対称に張り出した様式が特徴的だ。
近寄って、しげしげと眺める。
竣工は明治37(1904)年12月20日で、昭和46(1971)年までは現役の本館だった。
似たような存在に北海道庁旧本庁舎、通称「赤れんが庁舎」がある。
だが、京都の旧本館は現在でも執務室や会議室に使用されている点で異なる。
創建時の姿を留めた現役の官公庁建物としては日本最古なのだそうだ。
また、外観とは対照的に内部は和風の技術が随所に取り入れられているそう。
そのデザインは建築というより、むしろ工芸品と呼ぶに相応しい趣とか。
ただ、ちょっと立ち寄っただけなので、建物内には立ち寄らず府庁を後にした。
[旅行日:2014年3月20日]