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拝殿に向かって左側へ足を運び、廊下越しに拝殿の奥を覗いてみる。

そこには御神木と神饌所(御釜殿)があるはずなのだが、その姿を覗うことは出来ない。

神饌所は文字通り「神饌」、つまり神様にお供えする食事を調理する建物のこと。

ここでは毎年1月11日に神事「粥占神事(かゆうらしんじ)」が行われる。

粥占神事とは古式ゆかしき伝統的な作法に則り調理された小豆粥で、作物の豊凶や一年の天候を占うもので、大阪府無形民族文化財にも指定されている。

まず火鑚杵(ひきりきね)で竈の火を起こし、大釜で小豆3升と米5升の小豆粥を炊く。

その際、竈の火の中へ入れた占木12本の焼け具合により一年の各月の天候を占う。

一方、粥の中には長さ15㎝の占竹(竹筒)53本を束にして沈めて、竹筒に詰まった粥の量で53種類の農作物の豊凶を占う。

粥占神事は非公開で結果は15日の小正月に行われる「粥占奉賽祭」に占記として頒布されるそうだ。

左側の突き当りには「鶏鳴殿」という社務所が立っている。

ここで御朱印を賜るのだが、社務所以外にも祈祷や結婚式の控室、会食会場としても利用されている。

「だから拝殿と廊下でつながっていたのか」と納得した。

「鶏鳴殿」に背を向け、今度は拝殿に向かって右へと続く細い道の奥に行く。

手前に注連縄で囲まれた細い連理の榊が生えている。

ここは創祀の地、霊地神津嶽本宮を仰ぎ見る遥拝所。

本宮は古くから柵で囲まれた禁足地だった。

その禁が解かれたのは昭和56(1981)年の石碑建立。

平成5(1993)年には石造りの社殿が築かれている。

神津嶽の周囲には数多の古代祭祀跡と思われる遺跡が存在している。

[旅行日:2014年3月18日]