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主祭神は先述の通り天児屋根命。

天兒屋命、天之子八根命、天子屋根命とも表記される。

言霊の神である居々登魂命(こごとむすびのみこと)の子。

卜占(ぼくせん)を司る祝詞(のりと)の神である。

天照大御神が引き篭もった天岩屋戸の前で、天児屋根命は太玉命(ふとだまのみこと)とともに祭事を執り行った。

閉ざされた岩戸の前で天太玉命が勾玉と鏡と幣を付けた太玉串を捧げ持ち、天児屋根命が太祝詞を朗々と唱える。

これが歴史上初の神事であることから、天児屋根命は「神事宗源(しんじそうげん)」の神と称えられている。

また、天孫降臨の際には瓊々杵尊(ににぎのみこと)に従事した神々の中で特に重責を担った。

天照大御神からは天孫の防護を、高皇産霊神(たかみむすひのかみ)からは降り立った地に神を斎(いわ)ひ祀るよう、それぞれ命じられる。

その重責を果たしたことから「天孫輔弼(てんそんほひつ)」の神とも称えられている。

枚岡神社の入り口に立つ注連縄掛柱に刻まれていた「神事宗源」「天孫輔弼」は、ここに由来するわけだ。

拝殿と本殿の間は中門で隔てられ、そこから左右に透き塀が延びている。

中門は明治12(1879)年の改築後、同38(1905)年に現在の場所へ移設された。

戦後、昭和26(1951)年と平成3(1991)年に修復され、現在に至っている。

透き塀から中を覗くと、同じ形をした本殿が4棟、横に並んでいる。

極彩色の社殿が並列に配置された建築様式は「枚岡造(王子造)」。

春日造りとも似ているが枚岡神社独自の様式で、東大阪市文化財に指定されている。

本殿が4棟あるということは祭神が4柱あることを意味している。

[旅行日:2014年3月18日]