来店したのは午前11時ごろで、ちょうどお昼前のアイドルタイム。
店に入ると奥のテーブルで従業員の小母さん達が食事中。
私の顔を見るや皆さんバツの悪そうな顔をして各々の作業に散っていった。
こうしたシーンには旅先で何度も遭遇したことがあるので特に不愉快な思いもなく。
むしろ自然に笑みが浮かんで心がホッコリする。
まだ春先、しかも小雨模様で肌寒い天候だけに冷たい素麺は敬遠。
最もシンプルなメニュー、一杯700円也の温かい素麺「にゅうめん」を注文する。
待つ間、なぜ三輪素麺が大神神社で生まれたのか探ってみる。
今から約1200年ほど昔のこと。
宮司の大神朝臣 狭井久佐(おおみわのあそん さいくさ)の次男穀主(たねぬし)が、三輪の土地と三輪山からの清流が小麦の栽培に最適なのを知り、小麦粉を原料に製造したのが始まり。
鎌倉時代に入ると挽き臼の登場で製粉技術が進化。
さらに油をつけて延ばす麺作りの製法が中国から伝わったのを機に現在の形状へ。
江戸時代になるとお伊勢参りのネットワークに乗り、全国へ広がったという。
暫くして、目の前に温麺が届いた。
[旅行日:2014年3月18日]