ちなみに「竹取神事」で争奪されたゴンバウチワは小片に切断されて「御神竹」となり、参加者各自が銘々持ち帰って自宅や船の神棚に祀るのだそうだ。
「御神竹」は大漁や海上安全の神様。
だからこそ漁師しか参加できなかったのだろう。
とまあ、実際には見ていないものを、さも見たかように綴ってしまった。
まだまだ冷たい春風が吹き抜ける目の前の御料田からは、そうした賑やかな光景を想像するのは難しい。
御料田への参拝を終えて伊雑宮の境内へ。
一の鳥居をくぐり、緩やかなS字のカーブを描く参道を奥に進むと、前訪時とは風景が一変していた。
正殿の隣に、何やら建築中。
正殿との間は木の板で仕切られ、その向こう側で高い櫓が建築用の白いシートで覆われている。
平成25(2013)年の伊勢神宮・両正宮の式年遷宮に続き、同26(2014)年は別宮のご遷宮が行われる。
もちろん伊雑宮も同年5月に式年遷宮の立柱祭、上棟祭が行われ、秋には新しい正殿へ「遷御の儀」が挙行される。
これは戦後4回目、平成に入ってからは2度目の式年遷宮になるという。