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宮司さんの到着まで少々時間がかかりそうだし、朝から何も食べてない。

たまたま目の前に「安楽島フードセンター」というスーパーがあり、手元にバス用の小銭もなかったので、これ幸いとばかりに立ち寄る。

ところがあんパンを買ってる最中、携帯電話が鳴った。

慌てて店を出ると、既に宮司さんの車が到着している。

やはり移動時間では徒歩と車じゃ比べ物にならないと、改めて思い知らされた。

御朱印を賜りつつ、宮司さんと色んな話をする。

「寒かったでしょう」と参詣の労をねぎらわれる。

「つくづく真冬に来て良かったと思います」と答えた。

夏なら蚊の大群に追われていたかもしれないし、蝮に遭遇していた可能性だってある。

「日本で最も参拝するのが困難な一之宮だって言われてるようですね」

「そうみたいなので、結構な数の標識を参道に整備してるんですよ」

宮司さんが再び日常業務に戻り、ひとり漁港に残された。

堤防に腰を掛け、あんぱんを齧りながらバスを待つ。

青い空に白い雲がポッカリと、青い海には緑の島々がポッカリと、それぞれ浮かんでいる。

ボーッと漁港を眺めているうち、安楽島バス停方面から鳥羽駅行きのバスが姿を現した。

今までの中で最も辿り着くことが困難だった一之宮に別れを告げ、バスへと乗り込んだ。

[旅行日:2012年12月24日]