ススキが密集している藪のところに、今度は石の標識が目立たないように佇んでいる。
ラグビーボール大の石に「右一ノ宮」と刻まれ、その周囲を白い小石が埋めた形状。
極めて素朴ながら清冽な神々しさを感じる。
切通しになった竹林の中を通り過ぎると、今度は「右一之宮」と刻まれた石柱が道端に立っている。
それにしても案内する標識や看板の多さときたら。
サービス精神満点の宮司さんが孤軍奮闘しているのか。
それとも、それだけ参詣客から道案内に関する問い合わせが多いということか。
伊射波神社から30分ほど歩いたろうか、ようやく社殿以来の建物と遭遇。
鍵でおなじみの会社、美和ロックの海の家だ。
そして、ここにも密漁者への警告板が設置されている。
それだけ密漁者が多いということか。
道はかめや旅館の間を抜け、家々が立ち並ぶ集落へと入り、ようやく安楽島に到着した。
ここまで来ると道はキレイに舗装され、広く立派になっている。
山中に湧いた源泉が海に向かって流れるうち、大河になっていくのと似た感覚だ。
安楽島の集落で最後の案内板を発見した。こちら側から向かえば最初の案内板になるか。
彩色された大きな地図に伊射波神社までの細々とした参道が記されている。