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伊雑宮は伊勢神宮の別宮であり、古くは遥拝宮だったとも言われている。

一方の伊射波神社は旧社格が無格社という小社。

いずれも平安時代に国司が参詣に赴く一之宮の条件に適合しているのかどうか。

しかも、伊雑宮も祭神に伊佐波登美命と玉柱屋姫命を祀っている。

社号の読み方が同じ「いざわ」で、祭神も共通している。

一国内に一之宮が二社以上ある例は数多いが、志摩国の場合そのどれとも事情が異なるように思える。

伊雑宮は伊勢別宮だけあり、もちろん主祭神は天照大御神で、伊佐波登美命と玉柱屋姫命は後から加えられたらしい。

一方、伊射波神社は鳥羽藩が文化4(1807)年に修築した際、伊雑宮と混同されたのではないかと言われている。

いずれにせよ、どちらが“真”の志摩国一之宮かの究明は神学者にお任せするとして。

一介の旅人に過ぎない自分は、伊射波神社の素朴な佇まいを堪能するのみだ。

社号標の近くに安楽島氏子会が設置した案内板が立っている。

すっかり塗料が剥げ落ち、案内図としての役割を十全に果たしているとは言いがたい。

だが伊射波神社の位置と、御利益の「家内安全 五穀豊穣 縁結びの神」はと明示されており、最低限の仕事は務めているようだ。

[旅行日:2012年12月24日]