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当然ながら中は大パニックとなり、織女の一人は驚いた拍子に機具(はたぐ)の稜(ひ:横糸を通す道具)の端が女陰に突き刺さり、それがもとで亡くなってしまった。

スサノヲの狼藉に恐れ慄いた天照大御神が、天石屋戸の中へ身を隠してしまう契機ともなった事件。

その織女こそ稚日女尊だったと伝わっている。

ただ、古事記に具体的な神号までは記されていないのだが。

この稚日女尊を加布良古崎に祭祀したのが伊射波神社の始まり。

安政元(1854)年の大地震と大津波で社伝が失われたため正確な創建時期は不明。

往時は加布良古大明神、志摩大明神とも称されていたそうだ。

拝殿を出て裏手に回り本殿へ。

神明造りの小さな御社が、玉垣に囲まれてひっそりと佇んでいる。

まさに「古神道」という形容詞がピッタリ。

ちなみに現在の本殿は昭和51(1976)年に造営されたものだ。

ここで少し横道に逸れ、神戸にある生田神社について触れたい。

[旅行日:2012年12月24日]