伊射波神社は宮司のいない無人の神社だが、室内は綺麗に整理整頓されている。
正面奥の上部に社号標が掲げられている。
石造りの標柱ではなく、天然木の一枚板に黒々と「宮の一国摩志 社神波射伊」と墨書されている。
室内には芳名帳が置いてあり、見れば参拝者が結構いた。そこへ自分も名を連ねさせてもらう。
壁には「御朱印御希望される方は宮司宅へ」との案内図が貼られており、そこには携帯電話の番号も明記されていた。
拝殿には次の四柱が祭神として掲げられている。
- 稚日女尊(わかひるめのみこと)
- 伊佐波登美命(いざわとみのみこと)
- 玉柱屋姫命(たまはしらやひめのみこと)
- 狭依姫命(さよりひめのみこと)
伊佐波登美命以外の三柱は「女神様」。
参拝すると女の“性”に包まれたような、なにやら暖かい気持ちで心が満たされる。
伊射波神社が鎮座する一山これすべて「女神の山」だからなのかも知れない。
稚日女尊は古事記上巻「天石屋戸」のところに登場する。
天照大御神が神に献上する衣を織る神聖な御殿「忌服屋(いみはたや)」で、織女(おりめ)たちの機織りを眺めていたときのこと。
弟神で暴れん坊の素盞鳴尊が屋根に登って大穴を開けると、斑(まだら)色をした馬の皮を逆剥ぎにして真っ逆さまに投げ込んだ。