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さらに、小学校のグラウンドに使用されていた本丸跡も歴史庭園として整備。

両者を抱き合わせて開発すれば良質な観光資源になるような気がするのだが。

御城が好きで明治以降の近代建築物を愛する自分にとって、再建天守にありがちな博物館が文化財指定の近代建築物にあるだけでも有り難い話。

夜の闇の中に緩やかなシルエットを浮かび上がらせている城山を眺めつつ、そんな“妄想”を思い浮かべた。

鳥羽市役所前のバス停で、鳥羽小涌園行きの「かもめバス」を待つ。

「かもめバス」とは鳥羽市が運営するコミュニティ交通システムのこと。

バスが来るまで暫く時間が空いているが、商店街はほとんど閉まっていて時間を潰せそうな店は見当たらない。

真冬の寒気の中、いにしえの店々が醸し出す懐かしい雰囲気に包まれつつ、バスを待つ。

時折り通り過ぎる車のヘッドライトが周囲を明るく照らし出すが、それも一瞬の出来事、すぐに元の暗闇と静寂が包み込む。

10分ほど待った頃、ようやく待望の「かもめバス」が姿を見せた。

大きな車体の割に乗客は数えるほどだが、コミュニティーバスとしての役割は十二分に果たしている。

なにより遠く離れた宿まで連れて行ってもらえるだけでも有り難い話だ。

バスは市街地を抜け、次第に山の中へ分け入って行く。

昼間なら伊勢湾の風光明媚な光景が車窓に広がるのだろうが、生憎と見えるのは宵闇ばかりだ。

[旅行日:2012年12月23日]