神楽殿の前を過ぎ、正殿の前へ。
外宮こと豊受大神宮の御祭神は豊受大神(とようけのおおかみ)。
天照大御神の食を司る御饌都(みけつ)神として祀られている。
ただ古事記や日本書紀に登場しないので、どのような所縁があって伊勢神宮に祀られることになったのか、いまひとつ分からない神様でもある。
社号の“豊”は文字通り豊かさを、“受”は“饌”と同じ食(け)を意味している。
御饌とは天照大御神が召し上がる食物のことで、それを調達するのが豊受大神の役割だった。
豊受大神は男神なので鰹魚木は奇数の9本、千木は外削で垂直に切られている。
社殿の構成は内宮と同じ様式だが、配置は若干異なるそうだ。
伊勢神宮の社殿の隣は普通、空き地になっている。
「古殿地」といって、二十年に一度の「式年遷宮」で新しい正宮が建立される場所である。
だが、目の前の「古殿地」は空き地ではない。
あと一週間余りで訪れる平成25(2013)年は、いよいよ式年遷宮の年。
新たな社殿が古殿地改め「御敷地」に建立中なのだ。
1年後には目の前の“旧”社殿も姿を消していることだろう。
そう思うと参拝にも通常以上に念が込もるというものだ。
[旅行日:2012年12月23日]