駅を出て鈴鹿線の線路を渡り、一本道を北へ向かう。
沿道には民家や商店、マンションなどが立ち並ぶ、ごく普通の市街地。
やがて県道635号線と合流し、さらに先へ進むと伊勢鉄道の線路に行き当たる。
ガードをくぐって線路の東側に出ると、そこはまるで別世界。
収穫を終えた田園が一面に広がり、遥か先には四日市のコンビナートだろうか、立ち並ぶ煙突が白煙を盛んに吐き出している。
伊勢鉄道の線路に沿って歩いていると、横を列車が通過して行った。
行き先に「名古屋」とあったから、鳥羽から来た快速「みえ」だろう。
広大な田園地帯という「第一次産業」。
巨大コンビナートという「第二次産業」。
そして伊勢鉄道という「第三次産業」。
ひとつのフレームの中に3次元の産業がバランスよく収まっている。
こんな風景、なかなか出会うことはない。
冬枯れた田圃の畦道を30分ほど歩いたろうか、次第に人家が増えてきた。
その中にある立派な木造の建物に目が止まった。
家屋ではなく農作物の倉庫として使われているようだ。
[旅行日:2012年12月23日]