rj13真清田4T22

御用材は名古屋営林局から払い下げられた木曽檜が充てられ、本殿内の御扉や柱桁などは伊勢神宮から特別に下賜された古材を使用しているそうだ。

戦後の建築物にも関わらず、平成18(2006)年には本殿と渡殿が国の登録有形文化財に指定されている。

再建だからといってコンテンポラリーな様式にするのではなく、失われた往時の姿を丹念に再現したところが評価されたのだろうか。

その拝殿に向かって拝礼し、真清田大神と心を通わせる。

明け方の雨は既に上がり、天候は完全に回復。

頭上には青空が広がり、むしろ暑いぐらいだ。

社伝によると創建は神武天皇33(紀元前627)年。

先述した天火明命は、この地に「尾張」と命名した天香山命(あめのかぐやまのみこと)の父神。

大和国葛城から移住してきた尾張氏は、この一帯を開拓して土着の豪族になった。

天香山命の子孫を名乗っていた尾張氏は、祖神として父神の天火明命を祠った。

それが尾張国の総産土神、真清田神社の起源…とされている。

尾張氏はヤマト王権で軍事や祭祀を統べていた物部氏と深い関係にあった。

このことから、尾張氏が祖先と仰ぐ天火明命もまた、天孫に名を連ねるようになったと言われている。
 
[旅行日:2012年12月22日]