社号標に刻まれた「三嶋大社」の文字。
ちなみに社号の「三嶋」が先に存在し、それが地名「三島」の由来になったそうな。
創建時期は不明なれど、奈良時代の古書にも記録が残るほど昔からある由。
ではその「三嶋」という神号は一体どこから来たのか?
「三嶋」の語源は「御島」ではないかと推測されている。
その「御島」とは即ち伊豆大島や三宅島、八丈島など伊豆諸島のことに他ならない。
伊豆諸島は火山の噴火によって生まれた島嶼で、最近でも平成12(2000)年7月の三宅島大噴火は記憶に新しい。
この噴火で三宅島の全住民が島から脱出し、4年以上にわたる避難生活を余儀なくされた。
このように科学技術の進化した現代ですら火山の噴火は市民生活に重大な支障を及ぼすわけで。
気象観測もへったくれもなかった昔、山の神の怒りを鎮めるには神仏にすがるしかなかったのも頷ける。
伝承によると三嶋大社は最初、三宅島の富賀(とが)神社に祀られていたそうだ。
その後、伊豆半島下田の伊豆白浜海岸へ分祀されて白浜神社、別名「伊古奈比咩命(いこなひめのみこと)」へ。
さらに大仁町(伊豆の国市)の広瀬神社を経て、伊豆国府のある現在地に鎮座したと伝わっている。
歴史的な事実か否かは判然としないが、あくまでも伝承ということで心に留めておきたい。