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現在の奥宮社殿は明治35(1902)年に造営されたもの。

富士山内で強力(ごうりき)によって担ぎ上げられた建造物は現在この奥宮のみ。

それだけに非常に文化的価値の高い貴重な建造物なのだそうだ。

しかし、平成23(2011)年3月15日に発生した静岡県東部を震源とする震度6強の地震により著しく損壊。

そこで翌年から改築工事に着手したものの、なにせ富士山頂での作業だけに資材の運搬費など莫大な経費が必要なのだとか。

重機でラクラク運べる現在に比べて人力でコツコツ運ばなければならない往時のほうが、確かに運搬作業そのものは大変だったろう。

だが運搬作業を金銭で丸ごと賄える現在より、それだけの重労働を苦にしないほど信仰心が篤かった往時の建造物だからこそ、奥宮の文化的価値が伝わってくる。

といっても奥宮の改築工事に税金が投入されるわけではなく、すべて奉賛者からの協賛金によって賄われる。

頂戴したパンフレット「霊峰富士」には500弱に及ぶ個人と法人の名が列挙されている。

それも地元静岡県だけでなく、北は札幌から南は九州まで全国各地から満遍なく。

日本人にとって富士山の存在感が、いかに重きを為しているか分かるようだ。

慶長14(1609)年、徳川家康は富士山本宮浅間大社に富士山頂の支配を認めた。

さらに安永8(1779)年、寺社奉行の裁定により八合目以上が境内地として寄進された。

その面積は約120万坪(400万平方メートル)にも達するという。

敷地内には噴火口の大内院(幽宮)を含め、幾つもの霊場行場が存在しているそうだ。

山頂まで行ったことがないから良く分からないが。


[旅行日:2012年12月21日]