翌朝、一階の食堂へ。
窓には外房の海が一面に広がっている。
昨夜は夜中に到着したので分からなかったが、ここまで海岸から至近距離に立地していたことに驚く。
朝食はバイキング。
それほど品数は多くないが、一品々々が凝っていて結構楽しめる。
食事を終えた後、ビーチに続く出入口から外に出てみた。
前庭の手前にプールがあり、垣根の向こう側は直ぐに砂浜。
ホテル内にはシャワーやロッカールームもあり、サマーシーズンには海水浴客で混雑するに違いない。
海では大勢のサーファーたちが波乗りに興じている。
薄曇りで肌寒い中、その様子をしばらく眺めていた。
今度は大雪が降っている日にでも来て、海に降る雪をボンヤリ見ながら燗酒でも舐めてみたいと思う。
ホテルを出て駅へ向かう道すがら、御宿の町をブラつく。
途中、国道が川を跨いだところの交差点に「月の沙漠記念館入口」と表示されている。
海へと続く道の先に、その記念館はある。
童謡「月の沙漠」は御宿を愛した詩人の加藤まさをが、大正12(1923)年に発表した作品。
歌詞に謡われている舞台はエジプトでもサウジアラビアでもなく、ここ御宿なのだそうだ。
加藤が砂漠を想った海岸にはラクダの像が立ち、すぐ近くに「月の沙漠記念館」はある。
とはいえ、先を急ぐ身に「月の沙漠」へ割けるだけの時間的余裕などなく、立ち寄ることなく御宿駅に向かった。
[旅行日:2013年5月21日]