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埼玉県の県庁所在地、さいたま市。

その中央駅たる大宮駅前から国際興業バスの中川循環系統に乗車。

ここからさいたま市内にあるもう一つの武蔵國一之宮、氷川女體神社へと向かう。

ただ、その前に1カ所、訪ねておきたい場所がある。

バスは高島屋デパートと中央デパートの間を通る県道を東へ向かい、氷川神社の参道と交差して郊外へ抜けていく。

もともと大宮の中心地は中山道の宿場として栄えていた側の東口にあった。

駅前には百貨店が立ち並び、麓には網を張るように商店街が四方へ伸び、埼玉県随一の商業都市として繁華を極めていた。

しかし東北・上越新幹線の開業と歩調を合わせるか如く、西口に大型商業店舗が立ち並ぶようになると、どこか東口はくすんで見えるようになった。

西暦2000年にはさいたま新都心が街開きし、未来都市のピカピカな光彩を浴びた旧市街地は影の中へ呑み込まれる…かに思われた。

が、今なお大宮駅の東口から人並みが途切れることはない。

むしろ駅前から伸びる路地の如き飲食店街は夜ともなると、美味し酒肴を求めて集い来る酔客で盛況を呈している。

鉄道路線が結節する“交通の要衝”、氷川神社の門前町、そして中山道の宿場町という歴史的三大要素の前には都市のスプロール化現象も太刀打ちできなかったようだ。


[旅行日:2013年5月20日]