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後に改めて調べたところ「八度拝八開手」という、伊勢神宮独特の参拝形式だった。

それも一般の参拝者ではなく、神職が祭祀の時にのみ行う特殊な拝礼形式なのだとか。

特に無礼な振る舞いでなければ他人がどのような形式で参拝しようと、それはその人の信念に基づくものだから別に構わないとは思うが。

ただ、特定の修行を経た者だけが行える参拝形式を「自分は神道に深い知識がありますよ」的なアピールのために行うのは、むしろ逆効果なのでは?

それに神職でも何でもない一般人から、そのような形式で参詣されたところで須佐之男命は果たしてお喜びになろうか?

ご利益を賜りたいという心意気は伝わってくるが、かといって出過ぎた真似をするのは「過ぎたるは猶及ばざるが如し」のような気もする。

拝殿を後にして神札授与所へ立ち寄る。

本来は社殿の右側にあるべきはずなのだが、工事中で全体が白いテントで覆われている。

拝殿の左側に設置されている仮設の授与所で御朱印を頂戴した後、拝殿の前に差し掛かると先の女性が依然として祈祷を続けていた。

ここまで熱心にお祈りすれば、須佐之男命の元へ気持ちが
少しは届くだろうか?

それとも参拝の形式が違うから、それこそ“門前払い”にされるのだろうか?

その姿が多少狂気じみているだけに、お祈りが報われるかどうか他人事ながら気になるところではある。

[旅行日:2013年5月20日]