そこには黒光りした巨大な鳥居がドンと聳立し、右横には石柱が立っている。
表面に「寒川神社表参道」と刻字されているから、これは社号標ではない。
ここが参道の入口であり、鳥居が一の鳥居であることを示しているわけだ。
さすが“大門”という地名だけあって、一の鳥居も堂々としたもの。
鳥居の下から寒川神社方面を眺めてみる。
入口から境内まで参道の長さは約1キロメートルほどか。
真ん中は一方通行で1車線の車道、両脇に細い歩道、その外側は一段高い土塁。
土塁には高い喬木と低い灌木が連なり、鬱蒼たる樹影で路面は陰っている。
歩道をトボトボ歩いていると、後ろから声が聞こえた。
「スミマセ~ン!」
振り返ると自転車が3~4台、連なって走ってきた。
全員が東南アジア系の青年で、荷台に大きな荷物を積んでいる。
何か仕事の途中だろうか? 不思議な光景だった。
新緑の梢から射し入る木漏れ日を肌に感じながら参道を歩く。
そのうち右側の土塁が途切れて車道が合流し、上下1車線ずつになった。
(つづく)
[旅行日:2013年5月19日]