歩道は整備されているものの、海岸線に近いため海砂でところどころ埋もれている。
すれ違う人もおらず、滅多に車も通らない。
たまに通りかかる車のヘッドライトが唯一の光明といっていい。
館山から乗車したJRバスの終点(のハズ)だった伊戸と、この徒歩行の目的地である相浜。
全長約46キロにも及ぶフラワーラインのうち、伊戸と相浜の間約6キロは「日本の道百選」にも認定されている国内屈指の風光明媚な道路。
道路の海側には砂防用のクロマツ林が広がり、さらにその先には美しい砂浜で有名な平砂浦海岸が続いている。
平砂浦海岸の松林と砂浜が織りなす絶妙の美しさは「白砂青松100選」に選ばれているほど。
とはいえ、それらはすべて昼間、しかも好天時の話。
とっぷり日も暮れ、街灯もなく、車も通らず、もちろん歩行者もいない。
たまに通りかかる車のヘッドライトが唯一の光明といっていいぐらい。
そんな道をひたすら歩き続ける。
空気の澄んだ日には富士山や伊豆諸島が望めるという。
しかし、薄ぼんやりとした視界には左側に大規模な温室群、右側には大海原と防砂林しか目に入らない。
上空に浮かぶ三日月が唯一の“証明”である。
(旅行日:2012年12月17日)
※写真は後日撮影したものです。