14時ちょうど、館山に到着。
今や都心との連絡は利便性の高い高速バスに席巻され、東京駅と結ぶ特急列車も、ほぼ消滅に近い状況だ。
駅前に出ると平日の昼下がりとあってかマッタリとした空気が淀んでいた。
ロータリーでは客待ちのタクシーが所在無さ気にたむろし、真冬にしては熱を帯びた陽光に発汗さえ覚える。
JRバスに乗り換えるため、ロータリーを左手へ回り込みバス停へ。
半島の先端をこまめに廻る路線と、内陸部を横断して外房に出る路線がある。
洲崎神社へは前者に乗車するのだが、それほど本数が多くないので時刻を事前に調べておくのは必須だ。
半島の先端行きは3番乗り場。
停留所では数人の老婆たちが世間話を交わしながらバスが来るのを待ち侘びている。
いや、そんなに焦れるほど待っている風でもない。
待ち寂びてるといったほうか相応しいか。
14時20分、JRバス関東の路線バスは3番乗り場から出発した。
鄙びた駅前通りを抜け、館山城址のある城山公園を経て館山小学校前のバス停へ。
ここで下校する小学生たちが大挙して乗り込んできた。
「◯◯君は次の停留所ね」
「さっ、次で降りるよ」
年長者の女の子が年下の子どもたちを仕切っている。
この世代、やはり女の子のほうが大人だ。
男のガキなんて遊ぶことしか考えていない… もちろん自分を鑑みての話だが。
豊津橋バス停で全員下車していった。
近くに海上自衛隊館山航空基地があるので、そこの子どもたちかも知れない。
(旅行日:2012年12月17日)