大鳥居から南へ向かって参道を進む。
沿道には商店なども特に見当たらず、いたって普通の住宅街。
突き当たると道がフワッと広がり、一本道だった参道が松並木で左右に分け隔てられる。
道の右手は南宮大社の専用駐車場、左手には数軒の店舗が立ち並んでいる。
料理店や雑貨店、その看板には「南宮大社御用達」の文字。
これらの店舗もまた南宮大社の施設の一部なのかも知れない。
右側の道を先に進むと正面の入り口に出る。
五段ほどの短い石段を上がると社号標と一対の石灯籠。
その奥には幅広い参道が続くも両側には木々が疎らに立ってるだけ。
境内は飾り気もなく非常にシンプルだ。
「南宮大社」という社号は美濃国府から南の方角に鎮座していることに由来する…と、境内の御由緒に記されている。
美濃国府は鎮座地から2kmほど北、現在の垂井町府中に8世紀中頃から10世紀中頃にかけて存在していた。
遺構の残存状況も良好で、平成18(2006)年1月26日には国府跡が国指定史跡となっている。
「五月大祭神事舞奉奏市場」の項でも触れた通り、もともと南宮大社は現在南宮御旅神社の所在する地に鎮座していた。
それが人皇十代崇神天皇の時代に現在地へ遷座して今に至るわけだ。
参道を進むと意外なことに気付く。
鳥居が立っていないのだ。
南宮大社の鳥居は中山道垂井本町と新幹線脇の2カ所だけ…ということになる。
石灯籠の間を通って境内に入っていく。
ガランとした敷地に乗用車が数台停車しているだけ。
これといって目を引く構造物は他にない。
良く言えば飾り気がなく、悪く言えば殺風景な空間が広がる。
[旅行日:2016年12月10日]