この一帯、地名は「一宮」ではなく「大神宮」という。
無論、地名は安房神社に由来するものだろう。
社号は「神社」なのに地名が「神宮」なのは、それだけ地域からの崇敬の念が篤いということか。
国道410号線沿い、コメリと接骨院の間から山の方角へ延びる道が表参道。
接骨院の前に立つ案内標識に従って道を進み橋を渡ると、ずっと奥に白い鳥居が見えた。
しかし、道の両側は普通の住宅と農地が混在し、商店は数えるほどしかない。
大きな神社にあるような並木道でも、商店や飲食店が立ち並ぶ仲見世でもない。
大きな神社の参道にしては意外と地味な印象を受ける。
ただ、普通の住宅といっても一戸当たりの敷地は広く、建屋も大きい。
立派な生垣を眺めながら奥に見える鳥居の方向へ歩を進める。
と、途中で珍妙な張り紙が目に止まった。
大きな庭を持つ家の入口に掲げられていたもの。
題名に「当家の庭で不埒な行為を働いたもの」とあり、併せて男女の2ショット写真も載っている。
どこか警察の指名手配を思い起こさせるような写真だか、さすがに顔はモザイクで隠されている。
男と女が他人の家の庭先で如何なる「不埒な行為」を働いたのか、そこまで詳細に記されてはいない。
だが、家主に写真を撮られて晒されるほどの怒りを買ったというだけで、その内容が伺えようというものだ。
[旅行日:2013年5月21日]