しかし、全て後の祭り。
それに、こうして実際に訪ねて気が付いたことなので、事前に察するには一層に調査が必要だったろう。
そもそも東京から高速バスで往復するのと、自家用車で行き来するのと、一体どこに違いがあるのか?
むしろ香取神宮からの帰路が遥遠なればこそ、参拝の有り難みも増すというもの。
帰路に徒歩を選び、却って良かった…と自らに言い聞かせながら夜道を歩くこと2時間弱。
県道16号線と交わる香取神宮入口の交差点を超えると、次第に家並みが古色を帯びてきた。
そのうち本当に古い建物がズラリと居並ぶようになり、目を奪われているうち小さな川へと行き当たる。
川の名は小野川、架かる橋は忠敬橋。ようやく佐原の旧市街地に到着した。
ここは文化庁から関東で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されたところ。
そのレトロな街並みは非常に趣があり、小野川に沿って暫し散策。
川っぺりのベンチに腰掛け、ライトアップの中に浮かび上がった古(いにしえ)の町並みを眺める。
とはいえ疲労困憊の身にとって、懐古的な味わいを存分に堪能するだけの余力は既にゼロ。
かねてから一度は訪れてみたかった街なのに…無念。
路線バスが運行されている土日祝、佐原の町並みを鑑賞した後で香取神宮を参拝する
…これがベストなのかも知れない。
[旅行日:2012年12月18日]